~食事と健康の都市伝説1~マーガリンとショートニングだけは避けた方が・・・①

港区のパルフェクリニック・医科歯科で勤務している、個人としては日本初のインビザラインレッドダイヤモンドプロバイダー、伊藤剛秀です。

マーガリンはバターの代わりに、ショートニングはラードの代用品として使われています。あなたのご家庭にもあるかもしれませんね。「バターやラードなどの動物性脂肪は健康に悪いと聞いたから」かもしれませんね。そんなことはないのですが、それは別の機会に。

マーガリンやショートニングの原料は魚油や植物油です。これらは多価脂肪酸という酸化しやすい油です。このままでは代用品としては見た目も、使い勝手も悪く、スーパーの棚に陳列可能な期間も短いので商品として落第です。そこでこれらの油に水素を添加して、液体から固体にする”水素化油(硬化油)”として安定させます。このプロセスが有害な人工のトランス脂肪酸に変化させ、多くの健康問題や肥満の原因になっています。

天然の魚油や植物油は局所ホルモン(プロスタグランディン)や細胞膜の成分になります。しかし人工のトランス脂肪酸で作られた局所ホルモンや細胞膜は正常に機能しません。

マーガリンが出来た頃、ドイツではクローン病(消化器全てに潰瘍ができる難病)の原因として、使用が制限されました。消化器とは口から肛門までです。つまり口の中にも潰瘍を作る可能性大なのです。
最近このクローン病の手術をしてから復帰し、2023年のWBC決勝戦でアメリカチームのメンバーとして活躍していたMLBのセドリックマリンズ選手をテレビで見ました。彼は現在もまだこの難病と闘っています。「手術して治ったから復帰したのでは?」と思われるかもしれません。しかしこの病気は自己免疫というものを起こすので、極めて治り難いのです。つまり少し快方に向かったと思っても自分自身の免疫システムがそれを「悪い状態」と判断して自分の体を攻撃するからです。

プロスタグランディンは体の多くの機能をコントロールしています。消化器に関わる点だけで言っても、消化器官の筋肉の自動的反射をスムーズに行わせる、十二指腸潰瘍を防ぎも起こしもする、胃の消化液の分泌をコントロールする、等々沢山あるのです。例えば、食物を消化する胃が胃自身を消化しないというのは不思議だとは思いませんか。それはプロスタグランディンが胃壁を守っているからなのです。このプロスタグランディンが不足し、他のプロスタグランディンとのバランスが崩れると、胃は胃壁それ自体を「消化」するため胃潰瘍になってしまうのです。

プロスタグランディンは、魚油や植物油に多く含まれるオメガ3、オメガ6といった必須脂肪酸で作られるのです。しかし、これらの油を水素添加して固めた´硬化油´では作れず、異常なものが出来てしまいます。それでは体のほとんど生理機能に対しての微調整がうまくいかないのです。

女性の身体に対してだけでも、子宮の弛緩と収縮はこのプロスタグランディンで調整されます。陣痛もこの局所ホルモンで調整されます。必要な時に体内で作られ、そして1~2分のうちに素早く働き、たちまち消えるという具合です。因みに、陣痛促進剤としてもこの局所ホルモンが使われます。

そして´硬化油´はオメガ3,オメガ6を使用して人工トランス脂肪酸を作ると最初にお話ししましたが、これが細胞膜の中に入り込み、細胞の働きを狂わせ、体内でビタミンなどの栄養物質を食い荒らしたりもしているのです。それどころか、元々の魚油や植物油の栄養を破壊し、価値のないものにしてしまうのです。

あなたの周りで「生理前症候群(PMS)」で困っている方がいらっしゃるかもしれません。生理の周期は女性ホルモンのエストロゲン等によって主にコントロールされています。その他には甲状腺ホルモン、ビタミン類(主にビタミンB6)、ミネラル、プロスタグランディンなどとも関係していると言われます。
そしてPMSは主としてエストロゲン、プロゲストロンといったホルモン、それにプロスタグランディン不足やそのバランスの乱れで起こるとされています。又、オメガ3の脂肪酸が諸症状を和らげる効果を発揮してきたと言います。ならばやはり、良い脂肪を摂ると共に´硬化油´のような悪い脂肪を積極的に避けることが先決だと思います。

婦人科ではPMSの対処としてホルモン剤(ピル)の使用を行っているのが一般的だと思います。その薬の量を少しでも減らすために「良い脂肪を摂り、悪い脂肪は避ける」ことを考えてみてはいかがでしょうか。