「あごのズレ」シリーズ③_「あごのズレと腰痛」

こんにちは。

足の歪みと身体の歪みなど、姿勢に関することが顎の正しい位置を教えてくれました。自分の身体の歪みよりも患者さんの身体の歪みには敏感な歯科医師です。

「あごのズレと〇〇シリーズ」もこれで第三弾となりました。①、②とお付き合い頂いたあなたにとっては、もう十分なご理解を得られているのではないかと思います。

前回までにお話した通り、「あごのズレ」というのは実に様々な「身体にとっての不要な重荷」の原因となります。あごのズレと腰痛の関連性で言えば、「背筋や首筋の緊張」を招くこと、そして元々これらの緊張がある方にとっては、より症状を悪化させる要因となるのだと言えます。つまり「背筋や首筋の緊張」は「身体の歪み」を引き起こすことになりますし、さらには「あごのズレ」は「身体の歪み」の原因ともなるということです。

「あごのズレ」によって筋肉の緊張があれば、それをなるべく少なくするような姿勢をとって症状を緩くしようとするのが、わたしたちの身体です。その折り合いを付けるべく身体全体を前後に倒したり左右に傾けたりと、実に多くの微調整を自然にやっているのです。時には背中を丸めたり、逆に背中を反らしたりすることで何とか妥協点を見つけようと頑張ります。

そうするとどうなるか。その「歪んだ姿勢」で一番負担を受け止めるのが「腰」なのです。腰痛やギックリ腰は「ある意味、原因不明。精神的なものが多い」などとする専門家の意見も多く見られます。それは「何度も繰り返す」「常習的であり、完全には消えない」ことから、最初は腰を温める”ホットパック”や体を引っ張る”牽引”を行うところが多く、初期症状が治まると次は理学療法士によるリハビリやメンテナンスに移行していくことがほとんどかと思います。

患部を温めるのは「血行の促進」効果、体を上下に引っ張る牽引は「首の骨や背中の骨の間を広げることによる、一時的な痛みのマヒ」が主な効果ではないかと思います。そして鎮痛剤を処方されることになります。しかし、根本的な解決にはなっていないのでまた「腰痛」はやってきます。すると「もう整形外科では治らない」と思えてきます。そして「精神的なものから来ているかもしれない」という言葉から、心療内科や精神科を受診することを勧められる方もいます。そうすると、今度は精神安定剤を処方されることになっていきます。

「血の巡りが悪い」「首や背中の骨同士が詰まって、神経を圧迫する」「精神的なストレスが問題」なのかもしれません。しれませんが、一番の問題は「腰回りの仙腸関節と呼ばれる部分の不正」なのではないかと感じています。その仙腸関節とは、背骨の一番下でお尻の辺りの尻尾近くの骨と骨盤との間のつなぎ目の関節のことです。そこの歪みが大きいと上手く関節が働きません。「え?そんなところが動くわけ?」と思うのは当然です。でも、ここが動かないと歩いたり、座ったりというような動作が出来なくなります。そして女性の場合は出産時に大きく動いたりします。妊娠中や出産後に骨盤が開いてしまい、この関節に異常を来たし、腰痛を訴える女性が多いのもうなずけます。

ここでそろそろ「それは分かったけど、あごのズレと腰痛はどう関係しているの?」と思われるでしょう。あごのズレは首筋にも歪みを与えます。その首筋の歪みの中でも特に、第一頸椎と第二頸椎と呼ばれる首の骨の間のズレを誘います。第一頸椎とは首の骨の一番上の骨で、頭の骨と繋がる重要な役目のある骨です。首を前後左右に傾けたり、水平移動させたり(首振りダンスなんかで動かすのはココですね)、回転させたり実に多様な動きに対応する場所です。そしてこの動きは、体の中でも特に重い”頭”を支える場所だということです。この思い頭を体に対してバランスの良いところに保たないと、わたしたちは倒れてしまいます(スマホの見過ぎやパソコンの見過ぎはココに負担を掛けますね)。

なんとなく、ボクの言いたいことがあなたには見えてきたと思います。そうです。「あごのズレ」は「首の骨のズレ」に繋がり、さらに「頭の重さを支えるために、背骨全体の歪み」となり、ついには「上半身の重さを全て受け止める仙腸関節の歪み」となるのです。それで「腰痛」を起こしているケースが実に多いのです。

「あごのズレ」の治療としてはこのシリーズの②で詳しくお話させて頂いたのでそちらを見て頂けたら嬉しいです。

ここまで読んで頂けたことに感謝します。最後に当院での診断・治療と共に、専門家である理学療法士や整体師などの助言を仰ぐこともおすすめします。医科歯科連携であらゆるサポートも活用することにより、腰痛を早く改善し、予防することができるでしょう。

当院のホームページやインスタをご覧いただき、「こんなことが出来るの?」と思われたら、是非、ボクにご相談ください。一緒にあなたの「悩み」を解決するお手伝いをさせて頂きます。

では、クリニックでお待ちしています。