「あごのズレ」シリーズ④_「あごのズレと不定愁訴#1」
こんにちは!
身体の歪みと運動能力の関係を顎の位置から改善することに特化した東京都港区のパルフェクリニック・医科歯科の歯科医師です。
今日は「あごのズレと〇〇」シリーズの第4弾、「不定愁訴(ふていしゅうそ)」との関係を話してみたいと思います。
実は先日、12月12日の夜、ボクと当院のデンタルハイジニスト(歯科衛生士)2名(千葉絵里子歯科衛生士と鈴木由佳歯科衛生士)が講師となって、日本全国の歯科医師や衛生士を対象としてオンライン・セミナーを行いました。
全国の皆さんが仕事を終えた21時からのスタートにも関わらず、定員100名のところ150名以上の申込みがあり、対応には少々工夫が必要でしたが無事に終えることが出来ました。これは、いかに全国の歯科関係者が「患者さまの訴える不定愁訴」に対して答えを欲しがっているかの表れだと思いました。
ではそもそも、「不定愁訴」とはどんなものを言うのでしょうか。最近は色々なところで耳にすることや、目にすることが多いのですが、ここで一度おさらいしておきましょう。「不定愁訴」とは一般的に、医師・歯科医師が原因を特定できずにいる「不快な症状」を指す言葉と言えるでしょう。
具体的には、「首や肩のこり」「耳鳴り」「目の疲れや痛み」「頭痛」「睡眠時の無呼吸による睡眠の質の低下から表れる諸症状」「味覚異常」に始まり、「あごの痛み」「歯の痛み」「舌の痛み・しびれ」「あごの関節の痛み」「口の開けづらさ」「咬み合わせ時の痛み」の他、「血圧の異常」「内臓の不快感」「あらゆる関節の痛み」など挙げていけばキリがなく、それでいてそれは確かに患者さまが自覚出来ている症状なのです。なのですが、医療側ではあらゆる検査をしても原因が特定できずに「様子をみましょう」ということになります。
場合によっては、患者さまからの辛い訴えに対し「とりあえず何かをしなければ」という思いで、薬を処方したり、心療内科の受診を勧めたりする場合も珍しくありません。それは同時に、医療側も無力感を味わう瞬間なのです。
そこで、わたしたちのクリニックから、不快症状の原因と思われることを「医科歯科連携クリニック」としての立場から解説し、その解消法の一部をお伝えしたのが、先日のセミナーでした。
わたしたちは、レントゲンや直接口の中を診るだけでなく、口の周辺、さらには全身の問題を探って治療を進めます。というか、それを診なければ根本的な解決から遠いままになってしまうからです。
一通りの撮影や検査を終えると、今度は全身の骨格の歪みや、身体の重心のズレ、あごのズレを関連させて診断していきます。この「あごのズレと〇〇」シリーズを見てくださった皆さんにはもうお察しのことと思います。「足の歪み」がどんどん上の方に「歪みとズレ」を起こしていきます。逆に「あごのズレ」はどんどん下の方へ「歪みとズレ」を連動させていくのが、わたしたちの身体なのです。
例えば、身体の重心が右に寄っていくと循環器系の症状が出てきやすくなり、逆に左に寄っていくと泌尿器科系の症状が出て来やしやすくなったりもします。こういうバランスの歪みが、当然、内臓の位置を狂わせたり、ホルモンの分泌傾向を変化もさせるのです。
また、骨格のズレは筋肉の緊張状態の不調和も招きます。すると「こり」と呼ばれる辛い症状が出てきます。それは血管や神経を不当に圧迫したりするので、血の流れにも影響を与えます。
そういう状態が長く続けば、「めまい」「頭痛」「耳鳴り」「目の疲れや乾き」という症状にもつながります。特に胸から上で言えば、脳に行く血の量が減るというのは、とても深刻な問題を引き起こします。パフォーマンスばかりではなく性格にまで影響を与えてしまいます。
さて、次回はこの「不定愁訴」の解消として、どのようなアプローチを当院で行い、成果を上げてきているかを「その2」としてお話したいと思います。
次回もお付き合いをお願いします。