歯磨きペーストについての事実③
こんにちは!
表参道のパルフェクリニック・医科歯科 で、医科(いか)歯科(しか)連携(れんけい)を実践し、歯科から全身への影響を、また全身から歯科への影響を研究し、治療に反映させている歯科医師です。
前回からの続きになります。今回は「歯磨きペーストを選ぶとき」について、ボクがどう考えるかの話になります。
「あなたの言いたいことは分かったけど、私たちが歯磨きするときにはどれを選べばいいの?」という質問は当然出ますよね。「おすすめの商品はコレ!」って言いたいけど、多分、炎上しそうなのでここでは語れません(笑)。当クリニックにお越し頂いたときにでもコッソリあなたにだけにお話ししたい話題です。
まぁ、自分の頭の中には理想の歯磨剤があるにはあるんですけどね。それなら、「飲み込んでも・・・というより、飲み込んだ方が体の中にある重金属(じゅうきんぞく)を排出して健康にも貢献出来るよな」と思えるものだし、「防腐剤なんか入れなくても簡単には品質が落ちることもないよな」っていうものです。それもまたクリニックでコソコソお話しましょう。それが実現すれば「体に有益なだけじゃなく、SDGsでもあるし、」なんて思っています。
それはさておき、お口のケアを目的とした材料・用品には「安ければそれでいい」というわけでも「高ければ安心」というわけでもないと思います。常に、「お口に関することだって全身との関連を考えて選ばないといけない」ということなのです。
さてこれは、歯科の治療全般にもいえることだと思います。例えば、ボクがメインの治療としている「歯科矯正治療」についても考えてみます。最近、すっかり耳慣れてしまった”インビザライン”。さらには「取り外し可能で透明なマウスピースによる歯科矯正」というのは実に多くの種類が生まれ、消えていきました。今でも数種類をWeb上で見ることが出来ます。そんな中で何故、ボクがインビザラインを選択して治療を行ってきたか。それはその合理性と共に、治療後の予測設定をしっかりと患者さまに示せる方法だからです。そしてコンピューターが出した治療計画を、歯科医師がその経験をもって修正してベストにもっていけるからなのです。
かつて多くの「取り外し可能で透明なマウスピースによる歯科矯正」がありました(いや、今もありますね)。その多くには、あのゴムのようなもので歯型を採り、石膏の模型を作り、その歯の部分だけを折って付け直し、その担当医や担当歯科技工士の経験値(つまりデータ)で何枚ものマウスピースを作っていく方法をとるものもあるのです(簡単に言えば)。
インビザラインは従来のような歯型採りの他、口の中を直接カメラでたくさんの写真を撮って、それをコンピューター内でアプリを使って3DCGのモデルを作る(フォトグラメトリーという技術。様々なアングルから被写体を撮影し、立体的な3DCGモデルをパソコン上に作る技術。約110枚の画像を用いて作成する写真測量法です)という2種類の方法があります。どちらの方法でも同様に、アメリカ本社が世界の症例からラーニングしたデータを利用して設計を行い、必要な期間とマウスピースの枚数を計算し、3Dプリンターを使ってマウスピースを作成しています。
ですが、ここで『東京でインビザラインをするなら選ぶポイントは?』ということに注目してみましょう(東京に限らず、どこにでも当てはまるのですが)。このインビザラインを導入しているクリニックだけでも東京都には496軒存在しています。この中であなたはどこのクリニックを選びますか?「同じ治療なら安いほどいい」ですか?それとも「高いほど技術が高いんじゃないか?」でしょうか?496分の1です。
「どんな歯磨きペースト選びますか?」と同じような問いかもしれませんね。では、ボクからひとつアドバイスを。『インビザラインは担当する歯科医師によって差が出る』ということを考えた方がいいと思います。
治療の経験数を多く持ち、全身を考えられることこそが必要だとボクは信じています。そしてそれは、あなたの「全身」へと影響する「歯並び」を考えるということなのです。言い換えれば「歯並び」で「全身」の状態も良くできるということなのです。何故なら、その歯科医師の持つ経験値(データ)に大きく左右される部分があるからです。
このあたりのことにご興味があれば、ボクはいくらでもお話したくなります。
でもまずは、ボクの「考え」を知って頂きたくて今回のコラムを書きました。インビザラインについては、違う機会にお話をさせて頂きたいと思います。
ではまたここでお会いしましょう。