歯磨きペーストについての事実②
こんにちは!
表参道のパルフェクリニック・医科歯科 で、医科(いか)歯科(しか)連携(れんけい)を実践し、歯科から全身への影響を、また全身から歯科への影響を研究し、治療に繁栄させている歯科医師です。
前回からの続きになります。今回は「歯磨きペーストの成分」について、ボクがどう考えるに至ったかの話になります。
ある時「宇宙飛行士の方々はどうやって歯を磨いてゆすぐのか。無重力の状態でどうやってうがいをして吐き出すんだろうか?」っていう素朴な疑問が湧きました。答えはですね。水を使わないんですって。なんか驚きですよね。「じゃあどうするの?」って思いませんか?答えは、歯ブラシにペースト付けて磨いて、最後に飲み込むんですって。飲み込むんですよ、凄くないですか?でも、直ぐに慣れるということでした。
そこでボクは考えてみました。「飲み込むって、身体に害はないの?平気なの?」って。アナタはどう思いますか?自分で飲み込んでみたら、結構飲み込みづらかったですよ。そしてこれが胃を通って、小腸で吸収されて体内を駆け巡る。そう考えたら「余計な成分を加えるのをやめてくれ!」って思いました。「いやいや口に入れるもので、その安全性だって国の基準を通っているから問題ないでしょう」と思うのが普通ですよね。
でも、そもそも汚れを落とすだけならそんなにも色々な成分はいらないはずです。TV CMで某スマイルアップ所属のタレントさんが言っていましたよね「今までの(洗濯用)液体洗剤はほとんどが水なんです。ほとんどが、水!」ってね。粉の洗剤が冷たい水では溶けづらく、洗濯槽の淵に付いて残ってしまう問題を解決するための対策が、「最初から水に溶かして、水と混じりやすくするといいよね。それ便利でしょう?」って作っていたということだと思うんですよ。
歯磨きペーストだってほとんどが、ペースト状にしておく為、腐らせないで長持ちさせる為、薬用成分を溶かす為のものばかりなのではないでしょうか。飲み込んでも安心なのでしょうか。界面活性剤をはじめとして発泡剤、研磨剤、防腐剤、フッ素に様々な薬用成分。そんなに多機能を求めると「値段が上がるし、身体に異物を送り込むだけじゃん」と思うのは自分だけでしょうか?まぁ薬だって、適量だから「薬」として働くわけであって、多ければ「毒」にもなりますよね。
例えばある成分(界面活性剤のアウリルサンナトリウムなど)は「アジュバント効果」というもので金属への感受性(かんじゅせい)を上げる効果があります。簡単に言ってしまえば、お口の中に金属製の詰め物や被せもの、金属製の矯正(きょうせい)装置(そうち)などがある場合、金属アレルギー反応の症状を出やすくしてしまうということです。界面活性剤は、汚れを浮き上がらせるための本体です。これは「洗剤」というものすべてに共通する基本的な成分です。
「アジュバント効果」はネットやAIで調べても、大抵は「ワクチンの効果を上げる」ものという意味しか出てこないと思います。しかし、アジュバントとはラテン語で「助ける」というような意味なので、ある一つの作用を助長する場合にも使われます。詳しくひとつひとつの成分を見ていくと、ある薬品の副作用を抑えるために違う薬品を加え、その薬品のデメリットを抑えるためにまた違う薬品を加えている・・・などということが見えてきます。
「じゃあそういうあなたはどういうもの使うの?」って聞かれたら、「自分はなるべく成分が少ないものを選んで使います。何ならペーストは使わず、次(じ)亜塩素(あえんそ)酸(さん)水(すい)と電動歯ブラシで磨きます。黄ばみを落とすのはクリニックで3ヶ月に一度、クリーニングしてもらう方が安全で、自分では見えないところもキレイになるし、舌で触ってもツルツルに磨いてもらえる。こんな安全なことはないです。そして、クリーニングとホワイトニングは厳密には異なるもの言えるので、やはりホワイトニングはクリニックでやるのがいいです。」と答えます。
この続きは次回、このコラムでお話したいと思います。
ではまたここでお目にかかりましょう。