~健康数値の都市伝説~血圧130突破!ってそんなに大問題?①
港区のパルフェクリニック・医科歯科で勤務している、個人としては日本初のインビザラインレッドダイヤモンドプロバイダー、伊藤剛秀です。
「血圧を下げるお薬を出しておきますね」と言われ、「はい・・」と答えてお薬を飲み続けている人。
あなたの大切な人の中に何人いるでしょう。
元々日本でも海外でも最高血圧の基準というのは「年齢+90~100」とされていました。
ところがWHOは1978年に160/95、1999年に140/90へと低く設定しています。そして日本においては2000年にそれ迄は最高血圧が160だったのを140に。2008年からのメタボ健診では130にと下がっていきました。だから「130突破!」なのです。
因みに米国では最高血圧が150mmHg以上、英国では160mmHg以上が治療の対象とされています。しかし日本の特定健診では140mmHg以上だと受診するように促されます。ここで「130超えているので血圧下げるお薬出しておきますね」ということになってしまいます。しかし人は、年齢を重ねるとともに血管は硬くなり細くなるものです。そのために人体はなんとか血の巡りを保つために自ら血圧を上げます。そして50代後半ともなると160mmHgくらい迄になるというのが正常な事とも言えるのです。それを降圧剤を使い無理矢理に血圧を下げるとどうなるか。当然血流は悪くなってしまいます。
ある医師によると「脳の重さは体全体の2%だが、血液は全体の15%も脳に行く。一方、加齢により血管が硬く細くなる。このため体は血流を保とうとして必死に血圧を上げている」とのことです。更に「その血圧を過剰に下げると血流が悪くなることにより『めまい』『ふらつき』『認知症の症状』『脳梗塞』といった副作用が出る。又、入浴中の水死、肝機能の低下などのリスクが高まるという研究報告がある」とも言っています。
あなたの周りでも「低血圧で朝起きられない」とか「急に立ち上がったら立ち眩みがした」と言う様な日常会話を聞いたことはありませんか。手足が冷たいというのも血圧が低くて、手足の抹消血管に充分な血液を送り届けられないことが原因の場合だってあります。適正な血圧というのは、ある程度の個人差が存在します。10代と高齢者が同じ血圧が適正だとすることこそ、無理があるのだと思えます。
ところで血圧の基準値を10下げると、新たな高血圧患者が1000万人生まれるとのことです。逆に言えば「最高血圧が160」に戻すと数千万人位患者数が減るということになりますね。相当薬が減り、医療費の削減になるだろうなと思います。薬を飲む人が減ると、副作用のリスクも減ります。「塩分を控えてください」と言われて減塩しても9割以上の人は効果を感じないとも言われます。
食塩の過剰摂取で高血圧患者になるのは100人のうち一人か二人だと言います。そして極端な減塩は健康を損ねる恐れさえあるともいわれます。なのに、どうして高血圧と診断された人は皆「塩分の摂り過ぎだから減らしなさい」と指導されるのでしょうか。担当医から説明を受けていない人がいたら教えてあげてください。では、その話の出所を書いてある本から引用してご紹介します。
それは秋田で行われた疫学調査の結果からなのだと言うことです。調査を行ったのはアメリカのダールという人物。きっかけは知事が亡くなったことが原因でした。東北地方では高血圧が多いという調査結果なのですが、秋田県では栄養学者が望ましいとする「食塩の摂取量は一日10g以下が望ましい」という値よりかなり多かったのだといいます。それゆえ「食塩が高血圧の原因」となったとのこと。しかしその調査を個別に調べると、食塩の摂取量が少ないのに血圧が高い人もいれば、食塩摂取量が多いのに血圧が低い人もいたそうです。そういう人達を「例外」として処理し、データからは切り捨てたのだと言います。これが「塩分を減らして下さい」の理由となっているようです。
では、次回はさらに化学的に考えてみましょう。