「あごのズレ」シリーズ⑬_「あごのズレと老化防止」

身体の歪みと運動能力の関係を顎の位置から改善することに特化した東京都港区のパルフェクリニック医科歯科の歯科医師 伊藤剛秀です。

さて、このシリーズも13回目になります。シリーズ通して繰り返しお話ししてきたこと。それは全て、わたしたちの身体と「あごのズレ」「嚙み合わせ」が深く関わっているということに集約されます。

今回のテーマの「老化」というものとはどのような関係があるのでしょうか。「老化」って一体何なんでしょう。一般的には身体が「錆びついていく現象=酸化していく現象」のことでしょうか。人間は生きている限り「酸素」を使います。その酸素は「酸化」という反応を利用するために必要な化学変化です。身体は実に多くの細胞からできていることは誰でも理解しています。その数は約36兆個だそうです。その一個一個に「発電所」として「ミトコンドリア」が存在し、生命活動を行っています。避けられないのはこういった加齢による「酸化」です。

近年では、老化を遅らせる「アンチエイジング」からさらに進んで、積極的に若返らせるための研究も進んでいますね。とても素晴らしいことだと思います。よく「人間が体に害を与えられない場合の寿命は120年」というのを聞きます。そして「体に有益なことをした場合にはそれが140年になる」とも。

では先ず、「老化を遅らせる」ことを実施してみましょう。「酸化」に対する対処は生活の工夫で取り入れられることも多いと思います。人体のメカニズムは素晴らしく、自らが生命活動を行うことによる「酸化」に対抗するものとして「SOD(スーパーオキサイドディスムスターゼ)」というものが備わっています。天然の抗酸化物質です。それでも対処しきれない「活性酸素」が体を錆びさせてしまいます。

そこで簡単に取り入れられるのが食品ということになります。最強なのはウコン(つまりターメリック)です。カレーを食べる最大の効能はウコンを摂れることといっても過言ではないでしょう。その他にも抗酸化食品はたくさんあります。でも、あまり神経質になるのも考えものです。というのは、考えすぎてセンシティブになってもそれはストレスの原因となるので、それはそれで「酸化」の原因になってしまうからです。

運動も「抗加齢(アンチエイジング)」に有効なものと言われています。しかし、それも度を超すと「酸化」の原因となってしまうので、ほどほどにした方がいいでしょう。運動の習慣があまりない人がトライアスロンなどに挑戦することはないでしょうが、かなり活性酸素を発生させるので食品や栄養素に子を配る知識を得てから行った方がいいはずです。

さて、運動には正しい姿勢と動作が不可欠です。それを無視すると体に大きなストレスを与えてしまうことになり、運動によるメリットを打ち消すくらいにデメリットを生じさせる原因になってしまいます。

ここで今回のテーマの「あごのズレと老化防止」の話になります。シリーズを通してお伝えしている通り「あごのズレ」は「姿勢の悪化」に直結してしまいます。また運動能力の低下につながることも、今までのシリーズでお伝えしてきた内容でお分かりになってもらえると思います。

正しい姿勢と動作が、運動能力と効率を上昇させることが分かっているからこそ、わたしたちのクリニックでは、立っている姿勢や歩行姿勢を計測させて頂いています。場合によっては、姿勢の補正のために靴の中敷きをカスタムで作ることをお勧めしたりもしています。

そうやって正しい姿勢を基準として、歯並び、歯の治療やかみ合わせを整えていくと、見た目の老化防止になり、多くの場合若々しく見えるようになるものです。加えて、歯並びが再び崩れること予防し、虫歯の発生さえ抑制する効果もあるのです。

歯並びとかみ合わせが良くなれば、噛むことにより出るホルモンの分泌も向上していくものです。それはまた、認知症の予防や悪化防止にも成り得ます。ということは、年齢を重ねていたとしても「あごのズレ」には注意を払ったほうがいいということがお判り頂けるかと思います。よく噛めるようになれば、脳への血流量が増加することも、以前にお伝えしたとおりです。

ご自身の「老化防止」とともに、ご両親のことも併せてお考え下れば嬉しいです。短い文章で全てを詳しくご説明するのは難しいですし、そもそも文章が長いと読む気も失せてしまいますね。詳しくは、クリニックでご説明しましょう。ご興味が湧きましたら、クリニックへご予約のお電話をお願いします、あなたとお会いしてご説明できることを楽しみにしております。では。