「あごのズレ」シリーズ⑤_「あごのズレと不定愁訴#2」

こんにちは!

足の歪みと身体の歪みなど、姿勢に関することが顎の正しい位置を教えてくれました。自分の身体の歪みよりも患者さんの身体の歪みには敏感な歯科医師です。

今回は、前回のお話の続きになります。

実は、歯並びをとても理想的に矯正して、患者さまのお望み通りにまで細かく再現すると、時として「気持ちの悪さ」という不定愁訴が現れる場合があります。それは身体が一番欲するバランスの位置から、あごがズレている場合です。

つま先から頭のてっぺんまで全て中心を揃えるというのは、とても慎重にすべきことなのです。例えば、胸の位置では完全に正面を向いているとして、腰は少しだけ右に回転している位置だとしましょう。そしてそのときにあごは少しだけ左に回転しているとします。先ほどもお話したとおり、身体のどこがズレているかは、どこを基準にするのかで変わってくるのです。さらには、このときに上下のあごのどちらが本当にズレているのかを正確に判断できなければならないのです。ただ上下の歯の真ん中を合わせるだけの矯正治療では「不定愁訴」が現れたり、「後戻り」が強烈に現れたりするからです。

一見整った歯並びも、身体の歪みが残っていれば本来の整える基準からズレているかもしれないのです。その「あごがズレた位置」を「正しい基準」と安易に考えると、あごや頭の筋肉も張りを感じるようになってしまいます。その「ズレ」は全身をも歪めることは前半でお話したとおりです。

だから、わたしたちのクリニックでは「歯並びを治したい」「歯の被せものの治療をしたい」というように「咬み合わせ」を考えねばならない治療では「先ず、全身の歪みを修正してから咬み合わせを決めることを説明させて頂いているのです。場合によっては、靴の中敷きをフルオーダーで作って、それを靴に入れて使用してもらいながら治療を進めることも多々あります。

そして、「あごのズレ」は筋肉の緊張とこりを招くことはご説明しましたが、これを少しでも早く解消してくれるのが歯科衛生士の施術する「咬筋マッサージ」です。口を開けるための伸展筋群というものや、口を閉じるための収縮筋群の他、あごを前後左右に動かす筋群など実に多くの筋肉があごの周りには存在します。これらの筋肉をほぐしてくれるのが咬筋マッサージです。これは先ず、何と言っても「気持ちがいい」です。さらには筋肉の緊張が取れるので顔の輪郭がほっそりします。さらに唾液の出が良くなるので口臭の原因が防げます。

そうすると、「身体が心地よい適正な状態」であごの位置を決めらるのです。そして、身体の歪みも適正に近づくとともに、不定愁訴も消えていきます。そういう効果を考えての施術なのですが「とにかくエステ感覚で気持ちいい」ということから、当院の患者さまの多くは、このマッサージのためだけにご予約を入れていかれる方もいるようです。クリニックでお見掛けすると「あれ?今日は診療あったっけ?」と思うときもしばしばです。

この様なことの解説と、施術法を先日のセミナーではお教えしたわけです。ご安心ください。当院にお越し頂ければ、セミナー講師を務める2人の歯科衛生士があなたを直接施術いたします。ぼくはそれによる全身の状態が健康に戻っていくのを確認しながら治療を進めていきます。

こういう点が「インビザラインは担当する医師によって大きな差が出る」理由の一つでもあるのです。どうですか、不定愁訴を消すマッサージと矯正治療ということが伝わったでしょうか?

気になった方は、どうかクリニックへいらしてください。身体のバランスの乱れや足の状態を測定して確認することが出来ますし、それに合わせた、あなたに合わせた治療法のお話もさせて頂けます。

それではまた、ここでお会いしましょう。