~美容とアンチエイジングの都市伝説4~加齢を遅らせ、髪の悩みを解決するために②
表参道のパルフェクリニック・医科歯科 で、顎関節症の治療と運動機能向上のための顎位決定を担当している歯科医師の伊藤剛秀です。
前回までの次に”薄毛” ”脱毛”についてお話ししましょう。
毛そのものが細くなってしまうために薄毛が目立つことについて考えてみましょう。
髪も細胞で出来ているので細い毛は太い毛よりも細胞の数が少ないわけです。それは毛根の部分での細胞分裂が十分に行われていないということです。通常の細胞ではテロメアという物質により、せいぜい50回くらいしか分裂を繰り返せないと言います。すると細胞は新しくなれなくて減っていきます。これが髪の毛の細くなる理由と言われます。ちなみに、いつまでも分裂し続けて増殖を続けるのは生殖細胞とガン細胞だけです。加齢によって細胞分裂は鈍くなるのですが、鈍くする原因は先程も出てきた、体を錆びさせる物質です。ですからやはり、それらを抑制することが大切になるのです。
さて”脱毛”つまり禿げる件です。これは毛包を委縮させるDHTという物質によって脱毛し薄毛となるのです。DHTは酵素の作用によって男性ホルモンの一種であるテストステロンから変換されて出来ます。このホルモンは男女共に必要なものです。問題はDHTなので、その作用を抑制する市販のシャンプーを使うのは有効だそうです。また、ホルモンバランスの乱れによる脱毛も多いのだそうです。これは医師に相談して調べてもらうしかありません。妊娠後やホルモン剤を摂っている時にもこれは当てはまるのですが、葉酸を多く含む食品を摂ると改善するようです。それは、鮭、レバー、ほうれん草、牡蠣、ホタテ、春菊、アスパラガス、ブロッコリー、ニンジン、アボカド等にたくさん含まれます。これらの食品は前述の細胞分裂も盛んにしてくれる働きもあります。
ホルモンで言えば、甲状腺の機能低下が原因になっている場合もあるので併せて検査してみることも大切です。加えて女性の場合、頭髪や体毛が薄くなっている人はDHEAというホルモンが減っている場合が多いと言います。これは30代半ば以降に減ってくるホルモンなので該当すると思われる方は要チェックかもしれません。食品で言えば必須脂肪酸つまりオメガ3とオメガ6のバランスが偏っていることが原因の場合もあります。この脂肪酸(油)については別の機会に譲りますが、大体の方はオメガ6の摂取量が多いので、もっと寿司や刺身で魚の油を摂ってオメガ3を増やしてください。
今までお話したことは全て細胞の中の発電所と言える”ミトコンドリア”の活動量を妨害しないことなのです。毛包というのもミトコンドリアが作る多量のエネルギーを要します。そして若々しい外見を取り戻し、保つためにはミトコンドリアが活発に働いてくれることがとても重要なのです。
では活発に活動してくれなくなる要因とは何なのか。今までお話した、ストレス、肝臓への過度の負担と毒素、ホルモンバランスの乱れ、必須脂肪酸の偏りによる炎症傾向、活性酸素なのです。
そういった意味で日頃の食材選びはとても大切です。野菜や果物はどうやって栽培されたものなのか。穀物も同様で且つどういう方法で貯蔵運搬されたものなのか。牛、豚、羊、鳥などの動物類はどのような環境で飼育されていたのか。そういうことが毒素、ホルモンと関係します。
食レポで”甘くて美味しい”と言われるのが最高の品質だと信じていませんか。
「糖度」だけをやたらと増したものはオリジナルの品種とビタミンなどの栄養は同じではないのです。”ジューシーな肉”と絶賛されても、本来の生育環境、飼料を用いられず、ホルモン剤などを与えられたものは人間に与える影響は異なるのです。
加齢と髪の問題解決には食材選びと調理法がとても大切なことなのです。そしてこれらは当然ですがあなたの健康を保ってくれることにも繋がるのです。
信じるか信じないかはアナタ次第です!